外観デザインのお話です。
先日、地震力について考えていたら、伝統工法のトップへヴィーな荷重条件は、恣意的にではなく意図的に振り子理論に基いて設計しているのではないかと思い至り、瓦の土を降ろす事が本当に耐震になるのか疑問に思い始めた辻井です。(今度、大学の偉い先生に聞いてみようと考えています)
『デザイン』と聞くと、なんだかカッコイイ感じですが、和訳すると『設計』と言う意味が有ったりします。
私は、デザインすることとは、根拠を持って論理的に図案化する事だと考えていますので、てきとーに外観を決めた事はただの一度もありません。
どの様にして決めているかといいますと、まずは敷地の大きさや方位や日照条件などを頭の中に入れつつ、間取りを考えながら、お客様のお好みのスタイルに合わせて大まかなかたちを立体でイメージします。
立体的なカタチとしては、極力シンプルにした方がより構造的にも防水的にも強度が出せるので、あまり凹凸を付けない様に考えます。
正面(ファサード)にあたる部分の窓の形状は、建物の顔になってきますので大切です。
当然お客様のお好みに合わせて考えます。
ここまでは普通のお話ですが、私はバランスを決める時に、グラフィックデザイン的な手法を用います。
少し話が逸れますが、十代の頃、ガンプラオタクだったぼくは、グラフィックデザイン的手法を用いた模型に大いに影響され、多大な興味を持ち、そのあたりの手法を独学で研究しました。
どちらかと言うと、高度論理デザイン(Dynamic Logical Design)と言う方がしっくりいきます。
ちなみに、ガンプラの本は、こんな感じの本です。
こんなの作ってました(笑)
※仮想兵器であるロボットの肩のあたりに、ロゴやアルファベットをグラフィカルにあしらっています。
話をもとに戻すと、注文住宅にグリッドデザイン的手法を立体に取り入れたり、
実際には見えない線『力線』(リキセン)と言うものが存在するので、その部分を意識して形状が美しく(例えば黄金比など)なる様に考えたり、
直線を極力切らない様に高さを微妙に調整したり揃えたり e.t.c・・・と言う感じです。
地獄の設計 の時に書いた事とも、少し関連がありますが、具体的にはこんな感じです。
グリッドと言われる規則的な格子に沿って各エレメントのバランスを調整する方法です。
水平ライン(グリッド)を強調する為に高さなどを揃えるなどの方法
見えない『力線』を意識して各所の高さを整理する。
又、吹抜けと居室の窓を同形状に見える様にすると意匠的にも整然と揃います。
複合的に採用する事もあります。
『集中』と『拡散』と言うデザイン手法や、反復手法など、他にも色々有りますが、今回はこれだけです。
しかし、デザインばかりにコダワリ過ぎると、木造でコストダウン出来る建物をRCや鉄骨の構造にせざるを得なくなったりと、本来不要な費用をお役様にご負担頂く結果になりかねませんので、施工方法などを検証しながら、コストとのバランスをとる工夫も必要です。
こんな事を物件毎に繰り返しているので、いつもプランに時間が少し長く(4~6週間程度)かかってしまい、お客様にはご迷惑をおかけしています。
プランニングに少々お時間は頂戴しますが、きっとご満足いただける設計を出来ると思います。
このサイトをご覧になった方の参考になれば、美しい建物が少しでも増えるのではないかと思っている辻井でした。
注文住宅を建てるなら、高度に論理的なデザインをする設計事務所にご連絡してみてはいかがでしょうか。