打ち合わせのときに出たエピソードをご紹介します。
運動不足で動悸が気になる辻井です。
「破れない障子紙は有りませんか?」とお尋ね頂いた事が有ります。
あります!
㈱ワーロン社の商品で、様々な色柄と厚さを取りそろえています。
でも採用しませんでした。
理由は、破れた方が良い場合も有るからです。
お客さまのご年齢は、定年の少し手前で、お子様が数人おられます。もしかしたら数年後にお孫さんが出来た場合に、気兼ねなく遊ばせてあげたいとのお思いいから、破れない障子を採用したいとのお考えでした。
昔、おじいちゃんやおばあちゃんの家には障子が沢山ありました。家の中でつい激しく遊んだ拍子に障子を破いたり、あるいは興味本位から、わざと破いた事もありますが、当然そのたびに大目玉をくらった記憶が有ります。
「障子は破れるもの」です。
破れれば貼り替えれば良いと思います。
貼り替えて、最後に水を打つと、障子紙が「ピン」と張ったときの楽しさや、障子紙を張る大変さを教えてあげると破らないように気をつけてあそぶようになるとも思います。
障子というのは、非常に優れた機能を持つ装置です。(その事は又別の機会にゆずるとして)また、障子の有る家に行ったら、気をつけて遊べる子供に育てられるでしょう。
この日本独特の装置、あるいは文化を後世に継承していく事も、一つの愛情表現ではないでしょうか。
ただ、一事が万事破れた方が良いというものでもありませんので、ケースバイケースで(笑)
こんな話ばかりするので、いつも打ち合わせが長いと言われる 辻井でした。
建てるなら、密に打ち合わせの出来る設計者と打ち合わせをしてみませんか。