フローリングの選び方のお話です。
最近 猫に悩まされている辻井です。
フローリングと言うと、木の床材をイメージしますよね。
こんなの。
(LIXIL様HPより)
英語で書くと『Flooring』ですから、本来は『床』を覆う『材料』を意味しますが、日本では『なんとなく』木質系の仕上げ材を指します。
ほんとに 和製英語は不思議です。
この『なんとなく』が実は曲者で、取り違いを狙っているのではないかと思えてなりません。
さて、お話を戻しますが、今回は通称『フローリング』の選び方に絞ってお話をしていきます。
世間には無数の床仕上げ材がありますが、家で生活するにあたり、最も触れる機会が多いのが床部分になりますので、かなりの重要性が有りそうです。
膨大な種類を 私の独断で大きく分けるとシート・単板・無垢の三つに分けられます。
①シート系
ラシッサDフロアー(メンテナンス性に優れた硬質な仕上)
表面的には実際の木材を写真撮影して、樹脂フィルムに転写して、木の導管の凹凸まで再現したものです。
最近は特に表面仕上げのクオリティーが向上してきましたので、一見してもプリントなのか本物かの判別が出来ないものも多く存在します。
芯材は合板、MDF(木の破片を圧縮した様なもの)、塩ビなどのプラスチックも含めて多岐にわたります。
(塩ビの芯材で、表面がプリントだと、木は何処にも使われていませんが、『フローリング』と呼んでいる業者も多いです・・・ヲイヲイ(--;) 私は塩ビシートと読んでいます。)
メリットは、比較的安価(\3,000/㎡~)であることを筆頭に、床暖房やホットカーペットに対応出来ること。溝部分まで抗菌で、ノーワックスである事など、高いメンテナンス性でしょうか。
デメリットは、触れた時に感じるプラスチック感や、CGの様に感じてしまう見かけ、歩行した時の感触、表面がメクレルとハリボテ感が出てしまう事などです。
②単板系
単板薄貼 つや消し(まるでオイル仕上げの質感)
芯材は合板やMDF(木の破片を圧縮した様なもの)ですので、芯材についてはシート系と変わりませんが、表面に薄い木が貼ってあります。
板厚によって、単板薄貼り(0.1mm~0.5mm程度)と挽き板単板貼り(3mm前後)に分かれますが、価格には大きな差(\3,000~\20,000)が有ります。
特に断面を三層構造にして、全てを同じ樹種にしたものは『スリーレイヤーフローリング』と言います。ほぼ無垢に近い歩行間と質感が有る上、床暖房に対応出来る特徴が有りますが、非常に高価(\27,000/㎡~)になります。
上の層が木ですので、仕上げは塗装になります。そう言った意味ではシート系に比べて多少傷に弱い物も有る様に感じます。
何れにせよ、一般的な厚み12mm全てが『木材で出来ている』ので、何故か 安心感が有ります。
単板薄貼 つや有(高級感が有り)
杉挽板単板貼フローリング(別名ソード単板貼。高級です。)
スリーレイヤーフローリング(無垢の質感を備えた床暖房対応出来る最高級の仕上)
フレンチパイン無垢フローリング(ラスティックで温かみの有る仕上げ)
心材まで全て一種類の木になっている材料です。厚みにして15mm~25mm長さも20cm~180cmまで様々な種類があります。
一部の商品を除いて、殆どの商品は床暖房に未対応です。
ナラ 無垢フローリング(歩行感のしっかりしたフローリングです)
価格は比較的高価(\6,000/㎡~\30,000/㎡)な物が多いのですが、無垢には独特の空気感と歩行感があり、なによりも、木が呼吸している感じが有ります。
なによりも・・・
『無垢の床貼ったぜ!』
と言う気分を満たしてくれます(笑)
ナラ無垢のヘリンボーン貼り(非常に手間のかかる貼り方です)
選定にあたって、雰囲気も大切なのですが、床暖房が必要かどうかで半分くらいは 絞れるのではないでしょうか。
コスト面ですが、仮に100㎡の家の場合、\3,000/㎡のフローリングと\30,000/㎡のフローリングでは、一軒あたり270万円も差が出てしましますので、選定も慎重になります。
余談ですが、床暖房未対応の無垢の広幅フローリングに床暖房を施工すると、木が暴れまくって、いままで見た事が無い様な大きなスキマ(1cmくらい!)が出来ます。
何故その様な事を知っているかと言うと、自分の家で実験してみたからです(笑)
参考にご覧になりたいと言う方はご連絡下さい。
なんでも試してみたくなる 実践型設計者 辻井でした。
注文住宅を建てるなら、実践型 設計事務所 ATTIC に ご連絡してみてはいかがでしょうか。
話が少し長いかもしれませんが・・・(笑)