あなた「コンパネ」って言ってますが、ほんとはちゃうんですけど・・・(-_-;)。
でも「コンパネ」のお話です(笑)
断熱材を入れている現場に行ったので、手足と肩のあたりが痒くて仕方ない辻井です。
業界では、合板全般の事を「コンパネ」と呼称していますが、ほとんどの場合、意味が間違って使われています。
「コンパネ」とは本来「コンクリート型枠用のパネル」の略称で、間違っても合板全般を指し示す言葉ではありませんが、建築関係者(特に在来工法の現場関係者)の中には知らないかたが多くおられます。
恐ろしい話ですが、特に在来の現場出身のかたで正確な事を知っておられるかたがほとんどいないというのが、これまでの私の経験に基づく事実です。
「ツーバイフォーって、筋交いが無くて、外壁にコンパネを貼ってるやっちゃろ?」
・・・なんて、訳知り顔で言うかたがイッパイいます(-_-;)
説明するのも面倒に長くなりますし、年上のかただと角が立つと言う事も有るので、
「そうですよぉ~(^^)」
・・・なんて答えている私にも問題が有るのかもしれませんが、自分が使う材料を精査した事がない人に、いちいち説明するのも考え物かと思い、話は「コンパネ」で通しています。
・・・ですが、ホント内心ではキモチワルイです(笑)
そういえば、会社勤めの時も、設計者間でのみ構造用合板とコンパネは別の物として話をしていました。
さて、ここからは少し専門的な話でわかりにくかもしれませんが、少しお付き合い下さい。
合板は、JAS(日本農林規格)で次の様に分類されています。
・構造用に用いられる構造用合板
・コンクリートの型枠に用いられるコンクリート型枠用合板(これがコンパネ!)
・特に用途を定めない普通合板
・その他難燃合板
などに分類されています。
弊社が使用しているのは、構造用合板ですが、構造用合板は以下の4種類の分類が有ります。
・樹種別分類 (木の種類です。弊社は針葉樹(ラーチ)合板を使用しています)
・接着性能別分類 (特類・1~3類の4段階の分類が有り、弊社は特類と言う・ヨット等舟艇用
にも使用出来る、耐水性が最も高い合板を使用しています)
・構造別分類 (ベニヤコアー・ランバーコアー・ボードコアー・特殊コアー合板が有り、
常識的に、最も強度の期待出来るベニヤコアーを使用します)
・用途別分類 (JAS規格のあるものを使用します。弊社は最も接着剤中のホルマリンを
少なくするように加工されたF4と呼ばれるクラスの低ホルムアルデヒド
合板を使用しています。他には、防虫処理合板・や難燃処理合板・防炎処理
合板等が有ります)
これらに加えてさらに強度の分類も2等級有り、通常は2級を。計算により、強度が必要な時は、1級を使用しています。(壁の強度のお話は、またの機会にさせていただきます。)
この様に、JASの分類や等級が多種多様になっている所もわかり辛くしている原因かもしれませんが、これを適当にすると、恐ろしい建物が出来あがります。
壁の合板は、地震や台風に対して大きな強度を負担すべき部分ですので、非常に大切です。
今現在、家を建築中のかたは、現場監理されているかたや工務店の担当者に合板の種類を聞いてみてはいかがでしょうか。正確に答えて頂けたなら、安心できる確率はかなり高いと思います。
合板ではありませんが、構造用パネルと呼ばれる材料も有ります。
正式にはオリエンテッドストランドボードと言い、通称OSBと呼ばれています。木片を固めたエコロジカルな材料なのですが、湿度に弱く、外部に使用するには、施工にかなり気を使う必要が有ります。
弊社では、その独特の意匠性を生かして、内部の湿度が低い部屋に使用を限定しています。
ダーツの背面の壁に利用すると、壁が穴だらけになる事も無いので、非常に有効です
こちらで購入しました。
エコモク様
http://www.sakuma-mokuzai.com/eco_board_osb.htm
こちらのメーカーの材料は、プレーナーがかけられており、表面が非常に滑らかです。
多くの木造の住宅建築に対する落胆と憤りから、構造に関わる部分を書くとつい長くなってしまう 辻井でした。
安心出来る家を建てるなら、「コンパネ」に詳しい設計者にご依頼されてみてはいかがでしょうか。