シンプルモダンな外観とコストの恐ろしい関係②~雨樋編
前回ブログをUPしてから随分時間がたってしまいました。
続きを書こうと思ったら、なんとすでに続きを書いていました。
驚愕の辻井です。
前回までのシリーズはこちらから
さて、シンプルな家を目指すのであれば出来る限りデザイン的な雑音を取り払う必要が有ります。
雨による外壁の汚染を回避する為に庇を出したとしてもです。
雨樋は軒先に付く軒樋とそれを受けて縦に落とす縦樋が有ります。
軒樋は出来るだけ目立たない方が良いので、軒庇と一体にします。
出来れば既製品を使用せず、ステンレスで作りたいところですが、非常識な価格になってきますので、とりあえず諦めます。
場合によってはこんなのも有るのですが、ATTICではまだ採用の事例がありません。
まずは屋根の面積を計算して、受けきれる雨量から大きさを選定します。
種類が多いので、色と予算、家のグレードを考慮して既製品の中から決定します。
屋根形状が寄棟の場合は、垂木(タルキ)(屋根の下の構造材の事)の下を全て水平に切り飛ばして軒樋の下端と出来るだけ近付けると、屋根と一体に見えて美しいです。
大工さんに数十か所カットしてもらう事になるので、少し手間賃がかかりますが、とって付けた様な感じにはなりません。
軒樋の雨を集合するところにはじょうごという集水器パーツが付きます。雨水を効率よく落とす事と伸縮を受け止めて割れを防止する効果が有ります。
デンカ株式会社のHPより抜粋
・・・恰好がどうも・・・。
なので、ATTICでは伸縮じょうごを採用しています。雨の日に多少あふれても良いので、デザインを重視します。ちなみに伸縮接手は割れを防止する為にすき間が有りますので、雨が上がって晴れてもからも少しポタポタとしずくが落ちますが、我慢してもらうことにしています。すみません。
縦樋は出来るだけ目立たせない方が良いので、正面ではなく出来るだけ側面に廻します。
排水の効率だけを考えて正面に落とすと、えらいことになりますので要注意です。
予算が許せば、縦樋を室内に入れてしまえば外観がよりスッキリしますが、外に付ける竪樋とは違って排水の菅を敷設しますので、価格が数倍かかります。
雨が一旦室内を通るので、部屋が少し狭くなってしまう事も在り、特にデザインに必要な場合を除いてATTICではあまり採用しません。
弊社尾﨑の自邸の排水は少し特殊な事をしていますので通常バルコニーの排水は通常建物から外に向かって外勾配にしますので、樋は外近いところに出ます。
そのまま落とすと邪魔なので内側に曲げるのですが、このあたりがどうしてもタテウリ感が有って好きになれないので、バルコニーの下をフカして内側に寄せるところまでを隠蔽しています。
ATTICの平面図には、必ず樋の位置が書いてあります。
通常は現場監督任せ。下手すると樋屋さんに丸投げの業者が9割くらい。
ひっそりとですが、あたりまえに樋を書くと言う事で、デザインに対する強い意思表示をしているつもりです。
おまけです、エアコンは別途であろうが、将来工事であろうが、配管経路と排水経路を考えて設計します。でないと鼻たれの様な外観になります。コワイです。
最近は注文住宅を長岡京市と兵庫で設計しています。
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