京都の狭小な敷地に注文住宅を設計するときの正解は・・・
京都市内は細長い敷地が多く、そこに立つ住宅の事を狭小住宅と言ったりします。
道路から見たときの間口(マグチと言います=巾のことです)は約5m弱で、奥行は10m超えの細長い形状の敷地が京都には沢山有ります。
下記の例の敷地は、間口5m弱、奥行13mの敷地ですが、全面道路は広く南向きで、しかも向かい側には広いガレージが有りますので、かなり日当たりの良い土地になります。
つい、デザインをさておき、バルコニーを南側にドカンと取りたくなります。
実際、両サイドの家はそんな感じのデザインですが、ATTICはもう少しデザイン寄りでプランを考えます。
絵の通り、昼間にはそれほど室内の様子はわかりませんが、日没とともに室内が丸見えになってしまいます。美しい家の場合は直さら通行人から見られますので、注意が必要です。
デザインとプライバシーを考慮しつつ、抜けの有る空間の心地よさも同時に手に入れる為に、光の入れ方を考えてみます。
思いついたのは、3階の床の一部を吹き抜けにして、天窓から二階まで光を落とすアイディアです。
この場合、広さよりも奥行がポイントになります。(ワカルカナ?)
絵の「D」です。
そもそも巾を広くしてしまうと3階の南側の部屋が無くなってしまいますので、余計にこの方法が良い感じだと思います。
天窓を見上げるとこんな感じです。
写真の下に見えるのは、ソファーの背板です。晴れた日には青い空と流れる雲を『3階建ての二階の部屋で』寝転びながら見られます。
スマホの画面に疲れたら目の保養に良い感じです。
正午前に、天窓から壁を落ちる光の軌跡を見られます。美しくないですか?
季節によって角度が変わるのですが、『あーまたこの時期にきたな~』って感じで、年中変化を楽しめます。
夜は・・・
これはこれで美しいと思いますが如何でしょう。
こんなセオリーは聞いた事無いので、辻井オリジナルな理論ですが、間接照明の位置を、昼間に太陽光の入ってくる方向に合わせて配置すると夕方の天空照度から夜の灯への移行がスムーズに運ぶ感じがします。
これは絶対事項ではありませんが、何処に入れるかを悩んでいる場合は、ヒントにしてみるのも良いかと思います。
分譲住宅では狭小3階の南側に吹き抜けを作るなんて言うことはまずしないと思いますので、まさに注文住宅ならではのご提案だと思います。
注文住宅を設計する場合、本来は同じ大きさの狭小敷地であっても、敷地にまつわる環境や法規、条例によって条件は全く異なりますので、ご提案は様々に変化するべきだと思います。
・・・ですので、結論としては、、、
京都の狭小な敷地に注文住宅を設計するときの正解は、都度変わるという事です。
身も蓋もない話です(笑)
京都には同じような狭小のシュチエーションの敷地が多数有りますが、本来は様々な回答が有るはずだと思います。設計者に同じような回答しかないのであれば、それでは分譲住宅とあまり変わらないと思いますので問題ですね(笑)
注文住宅 ≠ お客様の注文をそのまま聞く住宅
注文住宅 = ご希望や注文を昇華してプロなりのご提案が入った住宅になれば良いな・・・と思っている辻井です。
流行りの労働生産性を考えられないのは、昭和生まれの悪い習慣なのでしょうか。
あかんのかな~・・・・(謎)
京都の狭小住宅の「たておこし」のお話は以下からどうぞ。
マニアックですが面白いかも。・・・いや、あんまりかも(笑)
注文住宅で、間口の狭い敷地を有効に生かす方法(京都のウナギの寝床)
その他構造関係の与太話はこのあたりに。
コダワリの詰まった実例を掲載していますので、ご興味が有れば以下からご覧ください
実例はこちらから。
商工会で作ってもらった動画が好評です。弊社、尾崎の自邸で撮影させて頂きました。
Youtubeで辻井が喋っています。ヘラヘラしているのが少し鼻に付きます。
是非一度ご覧ください。