注文住宅に対する考え方の方向性を決定付けた自邸の設計物語。その1
土地を探す。或いは、土地と巡り合う。
まずはフワッとした感じから・・・
かれこれもう20年前のお話です。
京都で注文住宅を建てる場合に、普通は家を買おうとか、家を建てようと思うものなのですが、辻井の場合は、『そうだ自邸を設計しよう!』と思い立ちました。
まだ見ぬ土地に、こんな家が欲しいなと、エスキース(スケッチかな)しましたが、2階建てで、2階にリビングにした完全なコートハウスです。
確かこんな感じです。
ハッキリ言って、この物件に少し似ています。
当時、新築の注文住宅といえば、輸入住宅をはじめ、洋風の設計の仕事が全てを占めていた時代だったので、四角く、ましてやフラット屋根の木造住宅は全く見かけませんでしたし、どちらかというと建築家と言われる変わり者が設計する、特殊な部類の家でした。
ですが、建築の専門書で見たテッキンコンクリートで建築されたジョンポーソン設計のミニマルな佇まいと空間に魅せられていたので、なんとかこれを木造で設計出来ないのかと、当時は模索していました。
そんななか、
注文住宅用の土地を探す。
注文住宅を建てる場合は土地見つけないといけません。
候補は京都市西京区の桂坂と京都市伏見区あたりそして長岡京市近辺だったのですが、夫婦間のチカラ関係の影響もあり、家内の実家が近い長岡京市に決定しました。
当時子供が小さかったので、校区でエリアを絞りますが、電車の駅に近いところは土地の価格が高く手が出ませんので、どんどん駅から離れ、駅から30分くらいの場所で探していました。
探し出してすぐに安い土地が見つかります。
自分のルーツは奈良県吉野郡天川村という田舎のせいでしょうか、少しカントリーテイストがする小川の横の土地が気になりました。
これです。
画像の通り、造成地の端っこで、三角形の土地です。現地に行くと、2.5mの高低差が有り、
車は一台分の幅しかフラットな部分は無いので、一台しか入りません。
土地の価格が安いので、問いあわせは沢山入っていたそうですが、ぜんぜん売れない土地でした。
横目でこの土地をチラチラ見ながらも、他の土地を探して一年が過ぎました。・・・が相変わらず売れていませんでした。
クセツヨのこの土地が、いよいよ自分を待っているような気になってきました。(笑)
土地の大きさが小さい事による金額差と、不人気で売れない事を踏まえた値交渉で出来る金額で地下室を作れるやん!・・・と思い、プランニングをしたところ、相当変わった設計プランが出来あがります。
基本的には上に記載したコートハウスを立体的に再構成した設計です。
東の道路から見ると3階建てに見える設計なのですが、3層目の部分にLDKや水廻りを配置した計画を考えました。
木造3階の家の三階にLDKを作ると聞くと、かなり聞いた事の無い話なのですが、実際に来られたお客様は意外にもあまり違和感が無いと仰います。
実はこれには少し秘密というか、仕掛けがあるのですが、こちらはまた後程。
なんだかんだで、無事土地の契約に至りましたが、不動産業者さんがチラシに掲載していた注文住宅の間取り図の設計図面が出て来ましたので掲載しておきます。
ぐるりと擁壁があるので、車は現況の位置に一台。
コストを考えると、そうなってしまうのは理解出来ます。
あとは質でカバーするのでしょうか?・・・
これ、仮にも注文住宅ですよ?
ぼくはこの設計の家に4898万のローンを組むのは嫌です。^_^;
さて、本日はここまで、次回をお楽しみに。
以下は自邸のリンクです。
コダワリの詰まった実例を掲載していますので、ご興味が有れば以下からご覧ください
実例はこちらから。
商工会で作ってもらった動画が好評です。弊社、尾崎の自邸で撮影させて頂きました。
Youtubeで辻井が喋っています。ヘラヘラしているのが少し鼻に付きますが、緊張の裏返しですので、お許しください。
是非一度ご覧ください。