注文住宅に対する考え方の方向性を決定付けた自邸の設計物語。その2
まずはコンセプトを決めてプランをする。
コンセプトが無い注文住宅は、中身の無い箱になります。
仮に性能を高く作った家は一見合理的に見えますが、人に例えると、ただ生きているだけの様だ・・・と言えば大げさでしょうか。
二宮尊徳の「道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である」に通づるものが有ると思います。
要は何のための箱(家)かが大切で、そこには人や思いが介在するべきだと・・・・
あ、すみません、面倒な始まり方をしてしまいました。
要約すると、ヒアリングした方がいい感じな気がするということです。^_^;
注文住宅で一番大事な事はヒアリング。
さて、自邸なので、まずは嫁さんにヒアリングしてみました。
曰く、『開放的な浴室と収納の量』この二点だけが希望で、他はなんでもいいとの事。
夫婦で半分づつローンを抱えるのにも関わらず、なんておおらかな嫁さんなのでしょうか。
何回聞いても、これまで仕事でしてきたヒアリングからは考えられないシンプルなオーダーしかありませんでしたが、看護士である嫁さんからすると、『設計者なんやから、好きにさしたるは』的な意図が有ったのではないかと深読みしてしまいます。
たぶん(笑)
さて、通常はしつこくお客様にヒアリングをするのですが、自邸なので、自問自答になります。
結果、コンセプトは・・・
『回復装置を作る事』
・・・にしました。
周りは住宅地なので、様々な住宅が建っているのですが、見るに堪えないひどいデザインの家も沢山有り(失礼)ますので、それらを見なくて済むように、まず土地を高い壁で囲って見たい風景だけを切り取る事にしました。
一見、進撃の巨人の壁のようですね・・・。
これを業界ではコートハウスと呼び、中庭を中心にした計画の家の事を指します。
壁のおかげでプライバシーを侵害されにくくなるためにストレスフリーに暮らせますし、別世界さえも作れますので、ヒーリング装置としては持ってこいです。
色々な理由で露天風呂はやめましたが、壁のおかげで浴室から素っ裸で出られるバルコニーも計画出来ますので、嫁さん希望の開放的な浴室も可能になります。
注文住宅なので、出来ればお隣の公園の桜も生かしたいところです。
そしたら具体的に設計してみます。
その1で構想していた
この設計プランを、立体的にバラバラに分解して三角形の敷地に入れ込みます。
まずこの土地に、
注文住宅の設計において、まず考える事はガレージなのですが、今回は土地が安かった分の費用を地下ガレージに廻して、ガレージを地下に計画しています。
ここは第一種低層住宅専用地域という場所で、土地に対してあまり大きな建物を建てられません。(容積率がきびしい土地です)
ですが、地下室は一定の広さまで緩和措置があり、面積が不算入になりますので、このような計画にしました。
こうする事で、
地下室のおかげで一か所しか取れなかった車の出入り口を自在にコントロールできる様になりますし、狭い敷地に対して防犯上も安全なガレージを効率的に作れます。
中庭を2箇所取りました。
この規模の計画で、2箇所も中庭を計画したら、壁代でコストがかかり過ぎるのですが、この頃辻井は調子に乗っていたので、借金が膨大になってもまったく平気でした(笑)
空中から見ると、2箇所の中庭は大きく、本体の屋根は小さいのが良くわかります。
さて、本日はここまで、次回をお楽しみに。
以下は自邸のリンクです。
コダワリの詰まった実例を掲載していますので、ご興味が有れば以下からご覧ください
実例はこちらから。
商工会で作ってもらった動画が好評です。弊社、尾崎の自邸で撮影させて頂きました。
Youtubeで辻井が喋っています。ヘラヘラしているのが少し鼻に付きますが、緊張の裏返しですので、お許しください。
是非一度ご覧ください。