注文住宅に対する考え方の方向性を決定付けた自邸の設計物語。その3
3階建ての3階にLDKを設計をする。
と聞くと正気の沙汰とは思えません。
平屋について
老後もここで過ごそうと思うと、出来れば平屋が良いなんてかたも多く、特にハウスメーカーでは、
『高級なお金持ちの終の住まい』=『平屋』
みたいな図式が最近有るみたいです。
沢山貯金を持っていそうな団塊世代をターゲットにした戦略でしょうか。
・・・そんな世間の風潮を全く無視して、最上階にLDKと水廻り全てを集約します。
主な理由は、浴室の前にあるバルコニーに出られる様にする為です。
公園のサクラが浴室の水面に写っています。
第一種低層住居専用地域の場合、3階建てを作る事が困難なので、浴室を最上階すると入浴中に隣家のかたと目が合う心配がなくなります。
間取りとしては
浴室と脱衣洗濯、或いはキッチンまでを同フロアに計画する方が家事動線は良くなりますので、個室以外の全てを最上階に集約しました。
明るさと眺望の良い空間を一番長く居るLDKにする事が出来て、カーテンの要らない生活が手に入りました。
最初に戻ります
が、『正気の沙汰ではない問題』を解決しないとダメです。
確かに平屋のメリットは介助や介護、あるいは足が不自由になった際に日々の生活が容易な事です。
ですが4階建ての老人病院を設計したことのある辻井からすれば、解決方法はいくつも有る様に思えました。
確かに平屋暮らしは楽そうで夢が有りますが、沢山の敷地が必要なので、土地からの取得になる自分たちにとっては、あまり現実的ではありませんでした。
そもそも自分が高齢になって足が不自由になるとも限りませんし、仮に寝たきりになってしまって自宅で誰かが介助する設定にもあまり現実味がありません。
近年はホームエレベーターや階段昇降機も有りますので、若い時期に昇降設備が必要になった場合には、保険を使って改装すれば良いと考え、運動などの健康に気を付ける方に意識を向ける事にました。
重い物問題
水やお米など、重い物を持って上がるのは、運動不足の昨今、筋トレが無料で出来ると思えば、モチベーションが全く違ってきますし、実際私はそうしています。
ちなみに家内は持って上がりませんので、私と息子の仕事という事になっています。
その他のメリット
そういえば、最上階のLDKには意図しなかったメリットが有りました。
高い位置から街を見下ろすと、少し偉くなったかのような錯覚を味わえます(笑)タワーマンションから周囲を見おろした時の感覚に似ていると思います。
私は京都タワーに登ったことが有るのですが、高いところから眺める気分とはまた違い、自分の住居から見おろす風景は、お城の天守閣からの眺めに近い気がします。
注文住宅の家は、城な気がします。
天守閣気分ってどんなんやろ・・・思われるかたは、辻井の自宅をご覧になりませんでしょうか?
お正月までに家を掃除しますので来年是非。
あと一回続けます。次回をお楽しみに。
以下は自邸のリンクです。
コダワリの詰まった実例を掲載していますので、ご興味が有れば以下からご覧ください
実例はこちらから。
商工会で作ってもらった動画が好評です。弊社、尾崎の自邸で撮影させて頂きました。
Youtubeで辻井が喋っています。ヘラヘラしているのが少し鼻に付きますが、緊張の裏返しですので、お許しください。
是非一度ご覧ください。