借景
家内が保護ネコを二匹もらってきました。
非常にかわいいのですが、ネコアレルギーの 辻井です。
借景ってご存知でしょうか?
『しゃっけい』と読みます。
本来は庭園の眺めに遠景に有る山の風景を取り込んで見せる手法だそうですが、注文住宅の設計にもこれに似た手法がつかえます。
私の主観ですが、日本の風景は電柱やそこに付いている照明器具(常夜灯)、ガードレールや看板がなどなど、非常に美しく無い印象を持っています。
それに輪をかけて、都市部ではあまり深く考えて設計したとは思えないデザインの宜しくない住宅が多く立ち並び、あまり家の中から眺めたい風景が多いとは言えないと思います。
(※先日見させていただいた土地の周辺は、拘りのつまった家が多く、見ていて嬉しくなりましたので、そんなに悪いところばかりでもありません!)
さて、そんな中で、窓から見える景色をなんとかしていく方法を模索していくうちに、良いと思う場所を切り取って使う方法を10年以上前に思いついて自邸で試しました。
これはプロトタイプになります、自邸のダイニングです。
建築当時は、空と遥かかなたの稜線しか見えない様に設計しました。
外から見ると、極端に視界を制限していますので、当時はなにが建つのかずいぶん聞かれました。
簡単に言うと、お隣や周辺に抜けの良い場所や美しい環境の場所を見つけて建築に取り込むといった手法ですが、これは広い意味で借景と言えなくないと考えています。
さて、ATTICの設計例で具体的に例を挙げていきます
①窓で、風景を切り取り、壁のインテリアにしてしまう方法
②隣のあまり見栄えの良く無い生垣と建物を意図的に型ガラスでディフューズしてしまう方法。
ダイニングテーブルの横に緑の瀧の様な、絵の様な風景が。
③中庭の壁を反射壁にして、そこを室内に取り込む方法。
プライバシーが確保出来て、かつ静かな環境が担保されます。
④いっそ、隣家の隙間から空に開く方法。
隣家が見るに耐えない場合は特に有効です。
⑤隣家さえも諦めて、天窓で。
過密な都心は、この方法のみが残されています。
⑥中庭と空の複合バージョン。
土地に余裕が要りますが・・・
借景に空の景色が多いのは、○○な○○を出来るだけ見たく無いからです(笑)
にしても、注文住宅の設計で最初にする事は、現地の確認です。
ストリートビューなんて便利なものがありますので、現地に行かない設計者も益々増えているようです。
素早くプランニングするのも結構ですが、近くに川が有り、そこに堰が有り、音がどこまで聞こえるか。周辺のにおいはどうかなどなど、現地に行かないと気付かない事は沢山あります。
そうです、現地を見てプランをすれば、すばらしいアイディアが沸くはずです。
『設計者は足使わんと!』
先日、誕生日で47歳になったオールドタイプ(?)の 辻井でした。
あ!わすれかけました、注文住宅を京都(といっても長岡京市ですが)で設計しています。
京都の注文住宅なら設計事務所ATTICの辻井 まで。
その他、過去の実例は、こちらから。
主に京都、滋賀、大阪で注文住宅の設計をしております。