『本物』は敗北するのか(前編)
昨年くらいから海釣りを始めたのですが、食べられる魚を捌く為に包丁を持つ機会が増えました。
美しい切り口を出すために和包丁を研ぐ事にハマり、やたらと研ぎの技術が向上している 辻井です。
毎度の事ですが、ずいぶんブランクが空いている気がします。
注文住宅を京都で建てている・・・という検索でも、10位以内から20位くらいまで下落しています(--;)
年末までに少しテコ入れしたら、グーグルロボットも少しは順位を上げてくれるでしょうか・・・?
さて、今回は
各世代にとっての『本物』について考察します。
ATTICで携わらせて頂く設計の場合、経済的限界はあるものの、出来得る限り『本物』を使う様に心がけています。
しかし、時々心が折れそうになる事があります。
床材の場合
最も高級感の有る材は、芯まで木の無垢材、次に薄くスライスした木を張った単板貼りと言われるフローリングまでが、本物の木だと思います。
近年、木目の写真を撮ってプリントしたシートを貼りつけた、『新建材』と言われる材料がどんどん進化しています。
表面の硬度は高いので傷がつきにくく、プリントした木目のシートの上に凹凸の付いた木目が浮き出た透明のシートを貼って足触りを木に近くしてあります。
表面は勿論、溝まで抗菌加工がされていて、ノーワックス、ノーメンテナンスで、床暖房やホットカーペットにも余裕で対応し、芯材に木を粉砕して固めた材料を使った環境配慮型の商品も出てきました。(やたら重いけど・・・)
価格が安く、反りや狂い、床鳴りなどの狂いも、無垢材に比べて圧倒的に少ないこの新建材をつい使いたくなってしまいます。
ゴミも少なく、ロスも少ないので、結果利益が残りやすくなりますので・・・。
辻井自身は『本皮と合皮』や、『本枯節とだしの素』が均等に混在する時代の真只中を生きてきましたので、『本物と偽者』の様な捉え方をついしてしまいますが、若くて都会生まれのかたにとっては、ササクレや節の在る本物の木の床は、お寺などに存在する古く朽ちていくもので、いつまでも変化しない不思議な『木』(のシート)こそが、本物として写っているのかもしれません。
人の感覚や感性は育った環境に由来するそうです。
現在の建材においてはシート系が圧倒的なシェアを誇り、和室の障子の枠ですらシートになってきていますので、もはや軍配についてはお話するまでもありませんが、このままでは新建材ばかりのなかで育った日本人が圧倒的多数になってしまいます。
本当に良いのかな・・・と疑問に思う辻井です。
後編へ続きます・・・
注文住宅を京都(最近は長岡京市で)で設計しています。
私の話が長いかもしれませんが、ご相談は無料です。ATTICの設計 辻井 まで、お気軽にご連絡ください。
その他、過去の実例は、こちらから。
主に京都、滋賀、大阪で注文住宅の設計をしております。