本日は、内容的にキモが二点有ります。
9歳の息子のマイペースさ加減に翻弄されている 辻井です(-_-;)
部屋を広く見せる方法は色々有るのですが、今回は、その中の一つを少しお話します。
私は子供の頃、アメリカのワシントンDCにほど近いベテスダと言う所に住んでいた事が有るのですが、アメリカの住宅事情に比べ、日本のそれはかなり厳しいものが有ると感じます。
ちなみに、この家です。
道からの風景はこんな感じでした。
なにせ、緑が多く、ゆったりとした土地と道路でした。
日本国内において特に土地からの取得をする場合、予算の半分以上が高額な土地代金と取引にかかる手数料に取られる事も少なくなく、それらが原因で家屋の予算を十分に取れない事が原因の一つだと考えられます。
そんな中、設計者においては、限られた予算と建築にまつわる法規の中で、如何に豊かな生活と空間をご提案を出来るか言うところで真価を問われるのではないかと思っています。
ご要望の部屋数などを盛り込み、出来る限りコンパクトにまとめつつも広がりを持たせると言う、矛盾した事を実現する為に、錯覚を利用したりもします。
その一つは『内部的な外部空間』を作る方法です。
中庭やバルコニーなどが代表的な手法なのですが、この空間を作る時に、出来るだけ室内と一体なる様に考えてやります。
- 室内の壁の色と、外壁の色を出来る限り揃えること。
- 床がフローリングで外部がデッキなどの場合は、床を貼る方向を揃えてやること。
- 窓などが有る場合は、出来るだけ外部と一体に見せる工夫をする事。
- 内的外部空間は、室内の様に見せた方が内部であるかの様な錯覚を起こすため、出来る限り部屋の様な閉鎖感を出す事。つまり、外部空間の手摺などの高さは、低い方が開放感が有り、部屋広く見える。 ・・・と言うのは間違いで、許される限り高くする方が内部空間が広く見える場合も少なくありません。
- 内的外部空間は、出来る限り他の部屋とシェア出来る位置に計画し、かつ目線が交錯しないように配慮出来ればベストです。
- 外部空間には、出来る限り眺めの良い風景(求心的部分と呼んでいます)やヌケを作ってやる事が出来るとベストです。
室内的な外部空間はもう一つのメリットがあります。
自分の部屋の窓から、自分の家の一部が見えると言う現象は、なぜだか楽しい気持ちになります。理由はよくわかりませんが、楽しいのだから仕方ありません。
ワクワクするような空間に仕上がる事は間違いありませんが、こんな空間を挿入すると、部屋が小さくなってしまう上、コストもかかり、設計のパターンが大幅に増えるので、高度な空間構成の技術や構造に対する知識などが必要になってきます。
部屋は狭くなるのに、広く見せる事が出来れば、コストダウンも出来る上、日々の掃除も楽になり、空調効率もあがる事になり、動線も短くなると、良い事づくめ。
一種の魔法の様な感じです。
少しコストがかかるかもしれませんが、魅力的なスペースを持った家が出来ます。
私はこれを『必要な無駄』と言っています。
厳しい条件や要望が多く有った方が、設計の力量を見せられると思う 辻井でした。
『必要な無駄』の有るプランを作成します。ご相談は辻井までお気軽に。