#天窓やめとけ
久しぶりなのに、しれっと始める設計辻井です(笑)
本日は、設計事務所さんは みんな大好きですが、業者さんからは嫌われている天窓が題材です。
#天窓やめとけ と書いたものの、自分の家についてます(笑)
自邸にはデンマーク生まれのベルックスというメーカーの天窓を付けました。
平面的にはダイニングテーブルの真上、設計のセオリー通りに計画しました。
ホームページの画像のように明るくなる食卓のイメージでした。
断面はこんな風に全体が明るくなるイメージでした。
・・・が、実際には恐ろしい事がおこります。
夏暑い!
よけないと日焼けします。
特に夏の直射日光は耐え難いほどに暑いです。
あと、極端にまぶしーです。白い紙は目を焼くほどまぶしいので、日陰に移動しないと読み書きは不可能です。
そーいえば、ベルックスの写真をよく見たら、かなり南中高度が低い感じです。光が気持ち黄色い気もしますので夕方でしょうか。
よく考えるとデンマークは、京都よりも緯度が高かった気がしてきました・・・
まぁ、天窓用の極端に高価なブラインドを付ければ解決するのですが、当初の意図とは違うので、私の中では失敗の認識です。
・・・なので、15年前くらいから、こんな風に意識して天窓を付けています。
こうやって北面の壁にバウンドさせてやると、効率的に明るさを得られますし、日光に焼かれるリスクが激減します。
ダイニングや、
トイレにも、
階段室もバウンドさせています。
高いところから光を落とす場合は、真上から直射日光が落ちる時間が極端に短いので・・・
屋根から吹き抜け越しに落としたり、
二階のホール越しにダイニングの脇まで落としたりすることも有ります。
設計事務所としては、天窓を勧める理由はいくつかあります。
一般によく言われる事は、壁に付く窓に比べて、明るくできますし、建築基準法上は3倍以上採光が取れる事から、申請時に必要な採光計算が楽にできたりします。
実生活では、光を浴びる事で体内時計がうまく機能しますので、自律神経系などの調子が整います。
また、日光に当たる事により、ビタミンDが生成されますでので、室内での活動が多くなりがちなかたにもおすすめです。
ATTIC辻井的には、住宅密集地でもプライバシーを配慮しつつ、気兼ねなく開放出来る天窓は、『抜け』効率的に演出できたり、バウンドする光によって、奥行感や色気などを発現させる事が出来ますのでキモとなる部分には使用してます。
あと、煙突効果を狙った換気にも大変有効に機能します。
逆にデメリットは、壁に付ける窓に比べて倍以上高くなる事や、漏水リスクです。
10年くらいおきにパッキンを変えるなどのメンテナンスしないと、濾水のリスクを増大させる事になってしまいます。
大工さんからは、建て方や造作の時にひと手間余計に時間がかかりますし、施工を失敗すると即、水漏れのリスクを抱えていることから、急いで手抜き施工なんて出来ませんので、特に嫌がられます。屋根屋さんからすると、常に屋外作業なので、ビタミンDは常に生成されていますから、設計者がわの理屈は全く通用しません。
ATTIC辻井としましては、無暗やたらと天窓を付けるのは『やめとけ』と思っていますので、違う方法が有れば当然そちらを採用しますが、TPOによって強力な効果を発揮出来そうであれば、天窓をご提案する事にしています。
天窓は、一発で強烈な効果の有るスペシウム光線(ウルトラマンの出す必殺のビームです)の様な効果を得られる場合が有るのです!
昭和生まれの設計辻井でした。
ご相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。
その他、過去の設計実例は、こちらから。最近は京都の物件がほとんどです。