設計データData

竣工 2011年 坪数 28坪(施工床30坪)
場所 京都府 京田辺市 工法 2×4工法
種別 新築 構造 平屋建

エピソードEpisode

京都の有名な工務店など数社でご検討された結果、価格とプランに釈然とせずに悩んでおられたところ、私が以前設計を担当させて頂いた美容院のオーナー様からご紹介を頂き、プランをさせて頂く事に。

ヒアリングをさせて頂く中で、家を上空から見た時に、家のカタチをご主人のイニシャルである『J』にならないかとおっしゃったので、『面白いと思います!』と、目を輝かせたところ、『以前打ち合わせした設計さんには、鼻で笑われました』と苦笑されていました。

難しい要望や、変形敷地など、難題を抱えた物件の方が、設計の能力を問われます。
解答も様々なパターンが考えられ、誰にも出来ないプランを考え出せる可能性が高くなりますので、『遣り甲斐が有る!』と目を輝かせた訳です。

ファーストプランは、中庭を抱えた回遊性の有る案。最終プランは中庭を無くしてコンパクトに落ち着きましたが、上空からは『J』に見える様にまとめられました。

しかし、問題が一つだけ残りました。

オーナー様が、『J』を自分で見られない事です。

でも、奥様にとっては最初から問題は折り込み済で、デッキなどの外構が完成したら、探偵ナイトスクープに応募して、問題を解決してもらおうと思っておられた様です。

近々解決出来る・・・はずです。たぶん。

  • 上空から見ると「J」のカタチに上空から見ると「J」のカタチになっている

コンセプトConcept

比較的細い通路の奥、台形の土地で。元は畑であった場所に計画しました。
地盤の補強には費用がかかりましたが、安心して暮らす為には必要な出費です。

LDKの薪ストーブを中心に各個室を計画し、ご主人の癒しの場である浴室は窓を開放しても近隣の視線が気にならない様に工夫されています。
回遊性の有るプランのネックは、暗い中廊下ですが、天窓を設置することで、晴れた日にはサンサンと太陽光が降り注ぐ様にしました。

薪ストーブの暖気を家中に巡らせるべく、換気扇とサーキュレーターを効果的に計画。
主要な内部仕上げは、床やドアなどの殆どを無垢の木で仕上げ、壁と天井は、全て漆喰塗りとする事で、ナチュラルでやさしい雰囲気を目指しました。メインの窓にはマービン社の木製サッシ(オールウッド)を使用しています。

又、それらによって費用が膨れるのを押さえる為、お子様を含めたオーナー様一家とご親戚で、塗装工事と漆喰塗りを全て施工して頂き、コストを抑えることができました。
結果的に、素人ならではの味の有る仕上がりとなり、家に愛着も湧くので、出来る範囲で施主工事をお勧めします。

外壁は、一見すると気付かない細かい部分にも手間を注いでいます。角の部分は通常ジョウギと言う材料を使って仕上げるので、尖ってしまうものですが、左官屋さんに無理を言って塩ビパイプを切ってコテを作ってもらい、丸く仕上げてもらいました。
壁の一番上の部分も、複雑な曲線を作る為、柱一本一本の細かい寸法を全て出し、大工と一緒に仕上げの方法を考えて作っています。結果、全体に柔らかい印象に仕上がったはずです。

  • 徹底的にこだわった照明計画。徹底的にこだわった照明計画。