建物は整形で南向の新しい造成地の角地での計画でした。
まず考えた事は、造成地ゆえに人通りの多い事などを考慮して、プライバシーを簡単に確保することが出来るコートハウスを考えたのですが、外観がシャープになり過ぎる事や、建築コストへの負荷を考えて、中庭の無い平面としました。
しかし、高い塀で囲まれたデッキを居間の前に据え、日当たりとプライバシーをコントロール出来るように考えます。
ダイニングの南側に有る窓は横長のスリットタイプを採用して、少し高低差の有る道路を歩く歩行者と目線が交錯しない様に考えました。
特にこの窓は構造体(骨組み)を少し大きめに開口しておき、現場で実際に道路との高低差を体感して頂いた上で高さを微調整出来るように設計しました。
温かみのあるマテリアルにこだわる場合、通常無垢(ムク)材と言う芯まで一体の木で出来た材を採用するのですが、同時に床暖房を採用する場合は、収縮や反り、乾燥による割れなどの問題から、細い巾のクリ材やナラ材のなどを使用するなど、選択肢が限られてきます。
そこで今回はナラの広幅の無垢材に見える『スリーレイヤーフローリング』を採用しました。
通常のフローリングは一ミリ以下に薄くカツラ剥き状にスライスした『タンパン』と言われる材料を合板に貼って仕上げているのですが、このフローリングは4ミリ程度に分厚くスライスした材料を積層している為、床を施工し終わると無垢材にしか見えない言う優れ物です。
良いこと尽くしのフローリングですが、ネックも有ります。
実は、結構なコストアップになります・・・。
無垢のドアやその他の部分にも天然木を採用しましたので、こちらも少しコストアップしてきます。
コストを上げてばかりもいられないので、お客様にはお休みを返上して頂き、週末塗装屋さんになってもらいました。
施工する場所の問題と施工期間の問題がクリア出来ればコストは大きく落とせます。
大抵家一軒全て塗装すると、オイルステン系の塗装であれば、プロのような仕上げが出来るようになってきます。
洗濯機を隠したスタイルや、一連のアクセントカラーを意識した色彩のタイルをあしらった洗面所は、生活感をあまり感じさせない事からか、グレード感の有るホテルライクに仕上がります。
洗面の窓廻りは、少しシャープなデティールを入れて、細かい部分をモタモタさせ無い様に考えました。
二階のホールにはこんなスペースが有るのですが・・・
実は吹き抜けだったりします。
吹き抜けは建物の縦横に回遊性を生みますので、簡単に言うと楽しい気分になります。
ですので、子供は・・・
走り回ります(笑)
お子様も気に入ってくれている様ですので、嬉しいです。
ご主人は建築関連で専門性の高いお仕事をされているのですが、弊社のコンセプトや監理の姿勢などを評価してくださったのが大変嬉しかったです
竣工後に所員共々お食事にお誘い頂いた際に、ご友人に家のコンセプトやディティールなどを、詳しく説明して頂いていたのが嬉しかった半面、私の出る幕が無いほど完ぺきに説明して頂いたので、少し寂しい部分も有りました(笑)
整形な土地は、地形変化に乏しい分、どこにでも有る中庸な設計になりがちですが、インテリコーディネーターとのコラボレーションで、二つとない雰囲気や空間を生みだせたのではないかと、いつもより増して感じました。
いくつかの竣工物件の記事を、すぐに(ウソかも・・・)書く予定のATTIC辻井でした。
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